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泌乳:Cideaは乳腺からの乳汁脂質分泌を調節
している必須の転写コアクチベーターである

Nature Medicine 18, 2 doi: 10.1038/nm.2614

泌乳期に乳腺から適切な脂質分泌が行われることは、哺乳類の仔の生存に不可欠である。しかし、この過程を制御する機序の解明は進んでいない。今回我々は、授乳期の乳腺にはCideaが高発現しており、Cideaが欠乏すると乳汁中の脂質が著しく減少し、その結果、仔犬の早期死亡が起こることを示す。さらに、Cidea遺伝子を欠失する乳腺では、乳汁脂質の分泌に必須の因子であるキサンチンオキシドレダクターゼ(XOR)の発現が著しく低下している。これに対し、in vivoでのCideaの異所性発現は、XORの発現を誘導して脂質分泌を促進する。Cideaはこれまで細胞質のタンパク質と考えられてきたが、乳腺上皮細胞では意外にもCideaが核内で検出され、転写因子CCAAT/エンハンサー結合タンパク質β(C/EBPβ)と物理的に相互作用することが見いだされた。CideaはXORをコードするXdh遺伝子のプロモーターへのC/EBPβの会合、またこのプロモーターからのHDAC1の解離の促進により、XOR発現を誘導することもわかった。さらに、脂肪細胞では、やはりCIDEファミリーに属するタンパク質であるFsp27が核で検出され、C/EBPβと相互作用してC/EBPβの下流にある遺伝子の一部の発現を調節していることも明らかになった。したがって、Cideaは乳腺でC/EBPβに対するこれまで知られていなかった転写コアクチベーターとして作用し、脂質分泌ならびに仔の生存を制御している。

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