Technical Report 画像化法:磁気共鳴画像化法による細胞追跡のための、 フェルモキシトール、ヘパリン、プロタミン を組み合わせた自己集合型ナノ複合体 2012年3月1日 Nature Medicine 18, 3 doi: 10.1038/nm.2666 本論文では、新しい簡便な磁気細胞標識法について報告する。この手法では、米国食品医薬品局がすでに認可しているフェルモキシトール、ヘパリン、プロタミンという3種の薬剤を無血清培地内で結合させ、in vivoMRI測定のために細胞を効率よくで標識する自己集合型ナノ複合体を形成させる。フェルモキシトール−ヘパリン−プロタミン(HPF)ナノ複合体は、無血清細胞培地内で安定なことが確認された。HPFナノ複合体は、フェルモキシトールの3倍のT2緩和能を示した。電子顕微鏡観察によって、HPFは取り込まれてエンドソーム内にあることが明らかになり、これは、標識された細胞のプルシアンブルー染色により確認された。HPF標識された造血幹細胞、骨髄間質細胞、神経幹細胞あるいはT細胞では、対照群と比較して、細胞の生理学的性質や機能に対する長期の影響もしくは毒性は見られなかった。in vivoMRIによって、ラット脳に移植した1,000個のHPF標識細胞を検出できた。このHPF標識法は、臨床試験で注入または移植した細胞のMRIによる追跡観察を容易にすると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る