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てんかん:マイクロRNA-134のサイレンシングは神経保護性の持続的痙攣抑制効果を生じる

Nature Medicine 18, 7 doi: 10.1038/nm.2834

側頭葉てんかんは広く見られる慢性神経疾患で、自発性の痙攣を繰り返し起こすのが特徴である。マイクロRNA(miRNA)は小型の非コードRNAで、タンパク質をコードしているmRNAの転写後発現を調節しており、神経疾患の病因として重要な役割を果たしている可能性がある。我々は、遷延性の傷害性痙攣(てんかん重積持続状態)の実験モデルおよびヒトのてんかんで、脳の活動により調節を受ける脳特異的miRNAで樹状突起棘の形態制御にかかわっているとされるmiR-134の発現が増加していることを見いだした。in vivoでmiR-134の発現をantagomirを用いてサイレンシングすると、海馬CA3錐体細胞の樹状突起棘密度が21%低下し、マウスが痙攣やてんかん重積持続状態に起因する海馬損傷を起こしにくくなった。マウスでてんかん重積持続状態の後にmiR-134を大幅に減少させると、その後の自発性の痙攣が90%以上減少し、側頭葉てんかんに付随する病的症状が軽減された。したがって、miR-134のサイレンシングは持続性の痙攣抑制作用と神経保護作用をもたらす。これらが抗痙攣作用なのか、それとも真の抗てんかん作用であるのかを決めるには更なる実験が必要である。

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