Technical Report

生体工学:神経運動障害後の歩行とバランスを評価し、可能にし、訓練するための多用途ロボットインターフェース

Nature Medicine 18, 7 doi: 10.1038/nm.2845

中枢神経系(CNS)疾患が歩行パターンの生成およびバランスを損なうことははっきりしているが、これらの副次的機能のそれぞれに対する個別の評価やリハビリテーションは、技術的制約のために進んでいない。今回我々は、ラットの自然な歩行行動の際の歩行パターンの生成およびバランスをそれぞれ独立に評価し、これらの機能を可能とし、また訓練するために開発した多用途ロボットインターフェースについて報告する。評価モードでは、このロボットインターフェースは脊髄損傷(SCI)および脳卒中の後のパターン生成および動的平衡の詳細な評価を与える。可能化モードでは、このロボットは推進もしくは姿勢維持のための神経プロテーゼとして機能し、完全型SCI後の地面歩行、不完全型SCI後の階段の上り、脳卒中直後の手足の正しい配置などの、予想を上回る歩行能力を直ちに促進する。訓練モードでは、麻痺を伴うSCIのラットで、ロボットが可能とするリハビリテーション、硬膜外電気刺激とモノアミンアゴニストによって、体重免荷歩行、協調的な舵取り、およびバランスが回復する。この新しいロボット技術とそこに含まれる概念は、動物とヒトの両方でCNS疾患後の運動機能の評価と回復に大きくかかわってくる。

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