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てんかん:熱性けいれん後の興奮性GABA入力が異所性顆粒細胞と成体期てんかんを引き起こす

Nature Medicine 18, 8 doi: 10.1038/nm.2850

側頭葉てんかん(TLE)は歯状回での顆粒細胞の異常局在を伴う。本論文では、複雑型熱性けいれん(成体期におけるTLE発症に関与すると考えられている)のラットモデルを用いて、新生児期に生じた顆粒細胞の異常移動が、成体期まで持続する異所性顆粒細胞の出現を引き起こすことを報告する。熱性けいれんは、新生児期に生じた顆粒細胞でのGABAA受容体(GABAA-R)の発現上昇を引き起こし、また、興奮性GABAA受容体の過剰活性化は顆粒細胞の移動方向の逆転を引き起こした。この異常移動は、GABAの興奮作用を調節するNa+K+2Cl共輸送体(NKCC1)をRNAiによりノックダウンすることで阻止された。また、熱性けいれん後にブメタニドによりNKCC1を抑制すると、異所性顆粒細胞の出現、辺縁系けいれん発作の感受性上昇およびてんかん発症が阻止された。したがって、この研究は、興奮性GABAA受容体シグナル伝達のこれまでには明らかになっていなかった病因的役割を明らかにしており、さらに、NKCC1の抑制が熱性けいれん後の異所性顆粒細胞の出現およびてんかん発症を防御する新規治療法となる可能性を示している。

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