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牛乳は微生物相を変化させる
Nature Medicine 18, 8 doi: 10.1038/nm.2902
肥満や炎症性腸疾患などの多くの病態に腸内微生物相が役割を果たしていることは、広く認められるようになってきた。最近の研究でDevkotaたちは、食事内容の変化が腸内微生物相の構成や疾患発症機序にどのように影響しうるかを明らかにしている。インターロイキン10欠損マウスに、牛乳由来の飽和脂肪を多く含む食餌を与えたところ、特定の条件下でのみ病気を引き起こす共生細菌(bacterial pathobiont)の増殖につながった。こうした微生物相の変化によって、遺伝的に大腸炎を起こしやすいこれらのマウスではこの病気の発生率が上昇した。この研究結果と、それらが食餌、微生物相と疾患の間の複雑な関係の解明にどう影響するかについて、4人の専門家に意見を聞いた。