Community Corner
COMMUNITY CORNER:アルツハイマー病の密かな進行を追跡する
Nature Medicine 18, 9 doi: 10.1038/nm.2922
アルツハイマー病では故障がどういう順序で生じ、そこに含まれる病的変化がどの程度の規模になるのか、それを明らかにすることは、この病気の適切な治療戦略を考え出すのに不可欠である。だが、こうしたパラメーターは十分明確になっていない。Batemanたちは、優性遺伝型アルツハイマー病の保因者と非保因者を比較した最近の縦断的な前向き研究で、臨床、認知機能、生物学的性質についてのバイオマーカーで、アルツハイマー病で長い年月の間に生じる一連の病的変化の追跡を可能にするものを複数選んで、解析を行った。その結果、一部の変化は、発症時期と予測される時点の25年前にすでに検出できた可能性があることがわかった。これらの知見は、アルツハイマー病の治療法を検証する臨床試験の設計に重要な意味を持つと考えられる。この結果について3人の専門家に意見を求めた。