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骨形成:miR-214はATF4を標的として骨形成を抑制する
Nature Medicine 19, 1 doi: 10.1038/nm.3026
マイクロRNA(miRNA)が骨細胞への分化および骨形成の調節に重要な役割を果たすことは、最近得られた証拠によって示されている。骨粗鬆症患者の骨検体で見つかっているmiRNAについては、その病態生理学的役割は現在のところ確定していない。今回我々は、高齢の骨折患者の骨検体で、miR-214量の上昇が骨形成低下と相関することを見いだした。また、miR-214遺伝子を導入した卵巣切除または後肢懸垂マウスにmiR-214antagomirを投与して骨芽細胞特異的にmiR-214量を変化させることにより、miR-214が骨形成の調節に阻害的役割を果たすことが明らかになった。さらに、in vitroでの骨芽細胞活性および基質石灰化は、antagomir-214によって促進され、agomir-214によって抑制された。また、miR-214はATF4を直接標的とすることにより、骨芽細胞の活性を阻害する。今回のデータは、miR-214が骨形成抑制に重要な役割を持つことを示唆しており、また骨芽細胞でのmiR-214の阻害は、骨粗鬆症改善のための同化戦略となる可能性がある。