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Mycの不可解な反応機序を解き明かす

Nature Medicine 19, 1 doi: 10.1038/nm.3060

MYCは最もよく知られているがん遺伝子の1つで、腫瘍では発現が上昇していることがある。こうした発現上昇はさまざまな機序により引き起こされているらしい。Mycが結合する標的遺伝子は次々と発見され、その数は増え続けているが、Mycの標的のうち、細胞レベルの特定の転帰と相関する重要な標的群はまだ見つかっておらず、Mycがその下流に非常に多様な影響を及ぼす仕組みはわかっていない。だが、Linたち、およびNieたちの2つのグループが最近発表した論文により、こうしたMycの謎を解明するための新しい基盤が得られるかもしれない。これら2つの研究は、Mycが標的遺伝子の単純な「オン・オフ」スイッチとしてではなく、転写の増幅器として働き、腫瘍細胞やリンパ球、幹細胞ですでにスイッチがオンになっている遺伝子の転写産物量を増加させることを示している。これらの新しい知見が、がん、正常な発生過程、また生理的状態におけるMycの働きを考える際にどのようにかかわってくるのか、それについて専門家の意見を聞いた。

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