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喘息:インバリアントナチュラルキラーT細胞は、気道過敏性を誘導することがある真菌スフィンゴ糖脂質を認識する
Nature Medicine 19, 10 doi: 10.1038/nm.3321
Aspergillus fumigatusは環境内に広範に存在する腐生性真菌で、一般にヒトのアレルギー感作や重篤な喘息と関連している。A. fumigatusは複数の微生物パターン認識受容体によって認識されるが、我々は今回、A. fumigatus由来のスフィンゴ糖脂質であるアスペルアミドBが、in vitroでCD1d拘束性でMyD88非依存的およびデクチン1非依存的な様式でインバリアントナチュラルキラーT (iNKT)細胞を直接活性化することを見いだした。さらにアスペルアミドBは、CD1dに搭載されるとヒトおよびマウスiNKT細胞を直接染色し、またそれだけで活性化に十分だった。In vivoでは、アスペルアミドBはインターロイキン33 (IL-33)-ST2依存的に肺のiNKT細胞を活性化することによって、喘息の基本的特徴である気道過敏性を速やかに誘導した。したがって、アスペルアミドBはiNKT細胞を直接活性化することが明らかにされた最初の真菌由来糖脂質である。これらの結果は、iNKT細胞によって直接検出される微生物の範囲を菌界にまで拡大するもので、またA. fumigatusがヒトで重篤な慢性呼吸器疾患を誘導しうる仕組みを説明できる可能性がある。