Review

脂肪代謝:褐色脂肪およびベージュ脂肪の発生と機能、治療標的としての可能性

Nature Medicine 19, 10 doi: 10.1038/nm.3361

脂肪組織は、脂肪貯蔵に役割を担うことで最もよく知られているが、特殊化した熱産生脂肪細胞の作用を介して体重増加を抑えたり、代謝性疾患を抑制したりすることもある。褐色脂肪細胞は、それ専用の部位に局在していて、熱産生遺伝子群を構成的に高レベルで発現している。一方、誘導性の「褐色様」脂肪細胞(ベージュ細胞としても知られている)は、さまざまな活性化因子に応答して白色脂肪組織中に生じる。褐色脂肪細胞およびベージュ脂肪細胞の活動は、マウスで肥満などの代謝性疾患を軽減し、ヒトでは痩せと相関する。褐色脂肪細胞およびベージュ脂肪細胞の生物学的性質を調節する遺伝子や経路は、これまでに多数見つかっており、代謝性疾患での多様かつ有望な治療標的となっている。

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