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感染症:インターフェロンα2bとリバビリンの投与はMERS-CoVに感染したアカゲザルの転帰を改善する

Nature Medicine 19, 10 doi: 10.1038/nm.3362

中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の出現は世界的に懸念されている。このウイルスは、重篤な呼吸器疾患を引き起こし、確認された症例はこの論文の公表時点で111に上り、死亡例は52となっている。治療介入はin vivoでは評価されておらず、したがって患者管理はもっぱら支持療法に頼っており、高い致死率を考えると有効性が高いとはいえない。アカゲザルはMERS-CoV感染の既知のモデル生物として唯一のものであり、急性で限局性の肺炎から一時的な臨床症状を伴う広範囲にわたる肺炎を発症する。これはヒトMERS-CoV感染の軽度から中程度の症例を再現している。インターフェロンα2b(IFN-α2b)とリバビリンの併用は、in vitroでMERS-CoV複製を抑制するのに有効だった。したがって、我々はアカゲザルでウイルス接種の8時間後にこの併用投与処置を開始した。投与を受けなかった感染ザルとは対照的に、投与を受けたサルでは呼吸異常の発症はなく、また肺炎のX線所見は正常もしくは非常に軽微なものであった。さらに、投与を受けたサルでは、肺におけるウイルスゲノムのコピー数はより少なく、肺での遺伝子発現パターンが異なっており、組織病理学的変化が軽減したのに加えて、全身(血清)および局所(肺)の炎症性マーカーのレベル低下が見られた。まとめるとこれらのデータは、MERS-CoVに感染したアカゲザルへのIFN-α2bとリバビリンの同時投与はウイルス複製を抑制し、宿主応答を和らげ、臨床転帰を改善することを示唆している。IFN-α2bおよびリバビリンはすでに他の感染症に対して臨床で併用されているので、この2つの薬剤はMERS-CoV症例の管理のために使用を考慮すべきと考えられる。

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