Perspective
がんの標的治療:BRCA変異がんを標的とする治療に対する耐性の機構
Nature Medicine 19, 11 doi: 10.1038/nm.3369
合成致死性は、がんで見られる遺伝的および機能的な欠損を治療標的とする場合の治療の枠組みになると考えられ、現在広く研究されている。がんで合成致死性が臨床的に初めて実証されたのは、共にDNA損傷修復に関わる腫瘍抑制タンパク質であるBRCA1あるいはBCRA2の欠損を有するがんの治療へのポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤の使用においてであった。この手法が有望であることは明らかになっているが、耐性を生じる機構と思われるものは複数見つかっている。ここでは、耐性に関わるこのような機構と、BRCA欠損がんに対する選択的な治療法開発へのその関連について論じる。