Review

がんの標的治療:EGFRを標的とするがん治療に対する耐性を克服するための努力

Nature Medicine 19, 11 doi: 10.1038/nm.3388

転移性の肺がん、大腸がん、膵臓がん、頭頸部がんの患者での上皮増殖因子受容体(EGFR)を標的とした治療は、当初有効であっても、最終的には全ての患者で耐性が生じる。こういった耐性が生じる機構は多数存在し、しかも複雑であることが徐々に明らかになり、EGFR阻害物質に耐性を示す腫瘍の殺滅が非常に難しいことがはっきりしてきた。だが、耐性が生じる経路の解明は進みつつあり、腫瘍での治療耐性の発生を防止、あるいは克服するための、新たな作用機構に基づく阻害薬や併用療法の開発につながっている。本総説では、肺がん、大腸がん、頭頸部がんでのEGFRを標的とする治療に対する耐性が生じる経路について包括的に再検討し、耐性を回避するように設計された治療戦略について論じる。

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