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喘息:E3ユビキチンリガーゼmidline 1はプロテインホスファターゼ2Aの活性阻害により、アレルゲンやライノウイルスによって誘発される喘息を促進する

Nature Medicine 19, 2 doi: 10.1038/nm.3049

アレルギー性気道炎症は、アレルゲンによる自然免疫経路の活性化に関連している。また、喘息の急性増悪はライノウイルス感染に関連していることが多い。本論文では、イエダニ(HDM)への曝露あるいはライノウイルス感染の後に、マウス気管支上皮でE3ユビキチンリガーゼmidline 1(MID 1)の発現が上昇することを示す。HDMはToll様受容体4(TLR4)およびTRAIL(tumor necrosis factor-related apoptosis-inducing ligand)に依存してMID 1発現を調節する。MID 1は、プロテインホスファターゼ2A(PP2A)の触媒サブユニットPP2Acに結合することでPP2A活性を低下させる。HDMに曝露したマウスで、MID 1のsiRNAによるノックダウン、あるいはリン酸化不可能なFTY720類似体によるPP2Aの薬理学的活性化を行うと、インターロイキン25(IL-25)、IL-33およびCCL20の発現、IL-5およびIL-13の放出、NFκB活性、p38マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)リン酸化、好酸球、Tリンパ球および骨髄樹状細胞の蓄積や粘液産生細胞数などを含めて、気道過敏性および炎症が軽減する。MID 1の阻害は、アレルギー性気道疾患のライノウイルスによる増悪も制限した。また、初代培養ヒト気管支上皮細胞では、HDMあるいはライノウイルスへの曝露後にMID 1の発現上昇がみられ、この上昇はTRAILおよびCCL20の発現と相関していた。まとめると、これらの知見は、アレルギー性気道炎症にMID 1が重要な役割を果たすことを示し、また自然免疫経路の活性化と喘息の発症や増悪の結びつきを明らかにしている。

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