Technical Report
画像化法:毛細血管内のPO2の一過的変化の測定による、局所的ニューロン活動の画像化
Nature Medicine 19, 2 doi: 10.1038/nm.3059
二光子リン光寿命顕微鏡法(2PLM)は最近、げっ歯類脳で深部の酸素分圧(PO2)を測定するのに使われている。2PLMの使用により、嗅球糸球体の毛細血管ではPO2と血流量の同時測定も可能になり、EAT(erythrocyte-associated transient)と呼ばれる、個々の赤血球がかかわるPO2勾配の存在が明らかになった。我々は、毛細血管のEAT特性が局所的なニューロン活動の指標となる範囲を調べた。その結果、安静状態でのEATピーク時のPO2は、平均PO2を35 mm Hgも過大に見積もっていることがわかった。2つのEATピークの間のPO2は神経網内のPO2と平衡状態にあり、したがってその指標となる。におい刺激を与えた際には、機能的充血の前に小規模なPO2低下がみられ、PO2の最初の低下は毛細血管レベルで存在していることが明らかになった。毛細血管内の酸素動態の画像化は、ニューロン活動をマッピングするためのユニークで非侵襲的な手法になると我々は考える。