Article ウイルス感染:凝固第X因子はアデノウイルス5型を自然抗体および補体による攻撃から保護 2013年4月1日 Nature Medicine 19, 4 doi: 10.1038/nm.3107 アデノウイルス5型(Ad5)は血液凝固X因子(FX)に特異的に結合する。FXは、静脈内に注入されたAd5ベクターを肝臓に導入するのに通常不可欠である。本論文では、Ad5ベクター肝臓導入のFXによる促進は、古典的補体経路による攻撃からAd5を保護するという、FXの予想外の働きによるものであることを明らかにする。in vitroでは、FXがAd5と結合できない場合には、マウスの無処理(naive)血清がAd5を中和した。この中和は、自然IgMおよび古典的補体経路によって仲介されていた。in vivoでは、FXは野生型マウス肝臓へのAd5ベクターの導入に不可欠であったが、抗体、C1qあるいはC4を欠損するマウス肝臓への導入にFXは必要でなかった。Ad5は補体に対する防御のためにFXを動員しており、全身投与型の遺伝子治療用ベクターを設計する際には、Ad5が補体による不活化に感受性であることを考慮しなければならないと我々は結論する。 Full text PDF 目次へ戻る