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直腸がん:予後不良の直腸がんは分子的に異なるサブタイプを特徴とし、鋸歯状前がん病変から生じる

Nature Medicine 19, 5 doi: 10.1038/nm.3174

結腸がんは臨床的に多様な病気である。こうした不均一性は、アジュバント治療が最も効果を示す患者を選ぶことを難しくし、新たな標的薬の開発を妨げている。したがって、結腸がんについては、その生物学的多様性についてのさらなる考察、特に臨床的特性との関連での考察が必要である。我々は1,100人以上の結腸がん患者について教師なし分類法を用い、分子的に異なる3つの主要なサブタイプが認められることを明らかにした。サブタイプのうちの2つは、すでに同定されている染色体不安定性、およびマイクロサテライト不安定性のがんで、特徴が十分明らかにされている。3つ目のサブタイプは、マイクロサテライトはおおむね安定であり、比較的多くのCpGアイランドメチル化形質陽性のがん腫を含むが、固有の変異に基づいて同定することはできない。我々は、このサブタイプが無茎性鋸歯状腺腫(sessile-serrated adenoma)に関連する証拠を示す。無茎性鋸歯状腺腫はマトリクスのリモデリングや上皮間葉移行に関わる遺伝子の上方制御など、非常によく似た遺伝子発現プロファイルを持つ。このサブタイプは予後が極めて不良であるのに加えて、上皮増殖因子受容体標的薬治療に抵抗性を示すため、これが明らかにされたことは非常に重要である。

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