Brief Communication
遺伝子治療:LPLD遺伝子治療後のAAV組み込みは概ねランダムに起こる
Nature Medicine 19, 7 doi: 10.1038/nm.3230
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの臨床応用は、AAVの組み込みによって生じる腫瘍形成能が懸念されることで制限されている。今回我々は、リポタンパク質リパーゼ欠損症の5人の患者にAAV1-LPLS447Xを筋肉内注射して、AAVの組み込み部位について解析を行い、核内ではランダムに、ミトコンドリアではホットスポットで組み込みが起こることを明らかにした。結論として、AAV組み込みはおそらく安全であり、ベクターの切断や組み込みはベクターゲノムの各位置で起こる可能性が考えられる。また、今後の組み込み部位解析は、ミトコンドリアゲノムも含めて行う必要があるだろう。