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アレルギー:TSLPによって誘導される好塩基球応答は好酸球性食道炎を促進する

Nature Medicine 19, 8 doi: 10.1038/nm.3281

好酸球性食道炎(EoE)は、食物アレルギーに関連する炎症性疾患で、食道での好酸球増多を特徴とする。EoEに対する現在の治療戦略は非特異的なものであり、したがってEoE治療の標的となりそうな特定の免疫学的経路を突き止める必要がある。EoEの発症は、アレルギー性炎症を促進する働きを持つサイトカインのTSLP(thymic stromal lymphopoietin)をコードする遺伝子の多型に関連付けられているが、TSLPがどのようにしてEoEの疾患発症機序に寄与しているのかは明らかではない。本論文では、EoE様疾患を発症する新規マウスモデルについて報告する。このマウスモデルのEoE様疾患はIgE非依存性だが、感作段階におけるTSLPあるいは好塩基球を標的とすることによって病状が制限されることから、TSLPおよび好塩基球依存性である。TSLP中和あるいは好塩基球除去という治療も、発症したEoE様病態を軽減することは注目に値する。一方、EoE罹患者では、食道生検でTSLP発現の上昇および好塩基球応答の増大が観察され、TSLP遺伝子の機能獲得型遺伝子多型は患者での好塩基球応答増加と関連していた。これらのデータは、TSLP—好塩基球軸がEoEの発症機序に寄与しており、EoE治療のための新たな治療標的になる可能性を示している。

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