Technical Report 画像化法:抗血管新生薬に反応するがん患者の血管構造画像化法による識別 2013年9月1日 Nature Medicine 19, 9 doi: 10.1038/nm.3289 磁気共鳴画像化法(MRI)による血管径の測定は、血行動態や血管発生、なかでも脳内のそうした現象をin vivoで観察するための有用な手法である。今回我々はMRIに、血管構造画像化法(vessel architectural imaging:VAI)と名付けた新しい考え方を導入した。これは、磁気共鳴シグナルでこれまで見過ごされていた経時的変化を、血管径を推定するための基盤として用いる手法である。さらに、この経時的変化によって、他のどんな非侵襲的画像化法でも評価されていなかった血管のタイプや機能に関する新しい情報をどうやって明らかにできるのかを示す。また、このバイオマーカーによって、がん患者の治療に関する新しい生物学的手掛かりを得る仕組みについても明らかにする。そうした一例として、我々は再発グリオブラストーマの患者でVAIを用い、抗血管新生薬によって微小循環や酸素飽和度が改善されて血管径が減少する場合があること、またさらに重要なことに、こうした反応を示す患者では生存期間が長くなることを示す。したがってVAIは、治療が効果をもたらす患者を特定することができる。 Full text PDF 目次へ戻る