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がん:ヒト大腸がんで自己複製を治療標的とする

Nature Medicine 20, 1 doi: 10.1038/nm.3418

治療後の腫瘍再発は、臨床における重大な難問であり続けている。異種移植片モデルやヒトでの治験で得られた証拠から、治療に耐えて生き残った腫瘍では、がん起始細胞(CIC)の割合が選択的に上昇していることが示されている。CICの遺伝子シグネチャーが患者の生存に影響するという最近の報告と共に、こうした研究結果は自己複製、すなわちCICに特有の重要な「幹細胞性」を標的とすることが、がん治療における新たなパラダイムとなる可能性を示唆している。本研究では、腫瘍形成、具体的に言えばヒト大腸がんCICの機能が古典的な自己複製制御因子であるBMI-1に依存していることを示す。BMI-1の発現を低下させると大腸CICの自己複製能が阻害され、その結果CICの腫瘍形成能が失われる。BMI-1の低分子阻害剤を初代大腸がん異種移植片に投与すると大腸CICが消失し、腫瘍増殖が長期にわたって不可逆的に低下した。BMI-1に関連する自己複製装置を標的とすることは、大腸がん治療における新規な治療法の基盤となると考えられる。

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