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炎症:アストロサイト活性化の糖脂質による調節は慢性的なCNS炎症を引き起こす

Nature Medicine 20, 10 doi: 10.1038/nm.3681

アストロサイトは健康や疾患に複雑な役割を果たしているため、その機能を調節する経路の研究は重要である。本研究では、β-1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼ6(B4GALT6)により合成されるラクトシルセラミド(LacCer)が、多発性硬化症(MS)のモデルである慢性実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウスの中枢神経系(CNS)で上方制御されていることを報告する。LacCerは自己分泌様式で作用し、アストロサイトの神経変性を促進する転写プログラムを制御する。さらに、LacCerはアストロサイトで、ケモカインCCL-2と顆粒球単球コロニー刺激因子産生の調節により、ミクログリアとCNS浸潤性単球の誘導と活性化を非細胞自律的様式で制御する。また、CNSのMS病変では、B4GALT6遺伝子の発現とLacCer濃度がともに上昇していた。マウスでLacCer合成を阻害すると、CNSでの局所的自然免疫応答とEAEでの神経変性が抑制され、in vitroではヒトアストロサイトの活性化が妨げられた。従って、B4GALT6はアストロサイト活性化を調節しており、MSなどの神経炎症疾患の治療標的候補となると考えられる。

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