Brief Communication

ウイルス感染症:チンパンジーアデノウイルスワクチンではエボラウイルス曝露に対して急性かつ持続的な防御免疫が生じる

Nature Medicine 20, 10 doi: 10.1038/nm.3702

エボラウイルス感染症は致死率が高く、現在の大流行は西アフリカ全域に広がっており、その勢いは衰えていない。エボラウイルス糖タンパク質(GP)をコードするヒトアデノウイルス5型ベクター(rAd5)は、マカクザルで急性致死性のザイール型エボラウイルス(EBOV)曝露に対する防御免疫を生じるが、Ad5に対して免疫を持つ動物は防御できないので、ヒトでは自然に起こるAd5曝露がワクチンの有効性を制限する可能性が考えられる。今回我々は、チンパンジー由来の複製欠損型アデノウイルス(ChAd)ワクチンも、マカクザルで急性致死性EBOV曝露に対する一律な防御効果を迅速に誘導したことを示す。防御効果は数か月の間に徐々に弱まったので、ChAd3を改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)を用いてブーストし、致死性EBOV曝露に対する持続的な防御が初めて成立した。

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