Editorial

氷水を浴びて社会貢献

Nature Medicine 20, 10 doi: 10.1038/nm.3723

筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者支援の募金運動であるアイス・バケツ・チャレンジでは、8月末までの1か月間で1億ドル以上が集まった。「チャリティ資金を集めるために寒い思いをする」という方法は以前にも使われたことがあるが、今回は氷水をかぶった後で次を指名する様子がソーシャルメディアを介して広く放映されたことで、大変な盛り上がりとなったのである。だが、このような方法に対しては、治癒への誤った期待が広まるとか、非常に費用のかかるこの種の研究を進展させるには不十分な金額にすぎないとか、あるいは、一過性の現象で持続的なイニシアティブにはならないだろうといった、さまざまな批判がなされている。しかし、この運動がこれほど成功した理由を解明し、この勢いを維持させる方法を考えることは、研究費支援という本来の目標に役立つばかりでなく、今後の慈善活動の参考になるだろう。

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