Brief Communication

HIV:幹細胞に似た性質を持つCD4+ T細胞内でのHIV-1の存続

Nature Medicine 20, 2 doi: 10.1038/nm.3445

抗レトロウイルス治療を行ったにもかかわらず存続するHIV-1の細胞リザーバーについては、その性質が十分に解明されていない。本論文では、抑制性の抗レトロウイルス療法を行っている間、CD4+ T記憶幹細胞(TSCM)では1細胞あたりのHIV-1 DNAレベルが高く、またこの細胞が全CD4+ T細胞ウイルスリザーバーに占める割合が時間とともに増大することを示す。さらに、系統発生解析を行ったところ、CD4+ TSCMでウイルス準種が長期にわたって存続することが示唆された。従って、HIV-1は長期のウイルス存続を促進するために、細胞性免疫記憶の幹細胞的特徴を利用していると考えられる。

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