Editorial 勢いを維持する 2014年2月1日 Nature Medicine 20, 2 doi: 10.1038/nm.3481 南アフリカ医療研究評議会(MRC)は近年、地域の生物医学研究の支援に大きな成果を上げてきた。だが、こうした成果が立ち消えになってしまう恐れが出てきている。Salim Abdool Karimが2012年に議長になって以来、その優れたリーダーシップの下でMRCは再生を果たし、国家の研究費補助は大幅に増加した。だが、Karimが本来の職務である南アフリカエイズ研究プログラムに専念することを決意し、来月に退任することが決まったにもかかわらず、後任者の名前はいまだに挙がっていない。そして、国内の研究者からは国の研究費補助が継続されるかどうかを危惧する声が上がっている。もし、比較的好調な経済成長のもとで、国がMRCへの資金提供を拡大すれば、始まりつつある外部組織との協力研究がさらに増え、地方の生物医学研究全体の底上げにつながると考えられる。そして、基幹施設がしっかりし、医学研究に優秀な人材が多い南アフリカは、大学医療センターや大学研究所で行われる国内研究を支援するネットワークの構築などに目を向けているアフリカの他の国々から輝かしい成功例とみなされることになるだろう。Karimたちが再生させ、軌道に乗せたMRCの勢いを維持できるかどうかは、政府と次のリーダーにかかっているのだ。 Full text PDF 目次へ戻る