Technical Report
クローン病:腫瘍壊死因子に対する蛍光抗体を用いたin vivo画像化によるクローン病治療反応性の予測
Nature Medicine 20, 3 doi: 10.1038/nm.3462
腫瘍壊死因子(TNF)に対する抗体は、膜結合性TNF(mTNF)に結合することでクローン病での免疫応答を抑制する。そのため、我々はこの疾患でのmTNFの分子レベルでの画像化に使う蛍光抗体を作製した。この抗体をクローン病患者25人に局所投与したところ、共焦点レーザー内視顕微鏡観察によって腸管のmTNF+免疫細胞を検出できた。mTNF+細胞の数が多い患者は、その後の抗TNF療法の12週目での短期治療応答率(92%)が、mTNF+細胞の数が少ない患者の応答率(15%)に比べて大幅に高かった。mTNF+細胞数が多い患者で見られたこの高い臨床応答性は、1年の経過観察期間中も維持され、経過観察のための内視鏡検査では粘膜治癒を伴っていることが確認された。これらのデータは、蛍光抗体を使った分子画像化法は生物学的治療に対する臨床応答性を予測できる可能性があり、クローン病や自己免疫疾患、炎症性疾患の個別化医療に使用できると考えられることを示している。