炎症：凝集した好中球細胞外トラップはサイトカインとケモカインを分解することで炎症を抑制する

痛風は、尿酸一ナトリウム（MSU）結晶に対する急性炎症反応と好中球の蓄積を特徴とする。炎症は数日以内に自然に消散するが、MSU結晶はその後も滑液や病変組織で検出されることがある。今回我々は、炎症部位に動員された好中球が酸化的バーストを起こし、好中球細胞外トラップ（NET）を形成することを報告する。好中球の密度が高くなると、このようなNETは凝集して、サイトカインとケモカインをセリンプロテアーゼによって分解する。慢性痛風の疾患特徴的な構造である痛風結節は、凝集したNETと共通の特徴を示し、MSU結晶はNETosis（好中球によるクロマチンの細胞外放出）とNET凝集を誘導することがある。NETosisが障害されている患者では、MSU結晶は好中球からの炎症性メディエーターの制御されない産生を引き起こし、炎症を持続させる。さらに、好中球性炎症のモデルでは、NETosisを欠くマウスは重篤で慢性的な疾患を発症し、こうした症状は凝集したNETの養子移入によって軽減される。これらの知見から、凝集したNETはサイトカインとケモカインを分解し、好中球の動員と活性化を防止することで、好中球性の炎症の消散を促進していると考えられる。