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発生異常:VAMP7遺伝子のコピー数増加はエストロゲンの作用を変化させてヒト男性の尿生殖器の発生を障害する

Nature Medicine 20, 7 doi: 10.1038/nm.3580

尿生殖器の異常は、新生児で最もよく見られる先天性異常の1つだが、その原因についてはよく分かっていない。本研究では、先天性の尿生殖路男性化障害が認められる小児について、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション法により解析を行った。症例の1.35%で、VAMP7遺伝子を囲むXq28領域でde novoなコピー数増加が見られた。VAMP7遺伝子はSNARE複合体の一部である小胞輸送タンパク質をコードしている。ヒトVAMP7をコードする細菌人工染色体を導入したマウスは、男性化障害を持つ男児で見られる停留睾丸、尿道欠損、尿道下裂などの尿生殖路の形質異常を模倣した。このトランスジェニックマウスはまた、ペニス長の減少、限局性精子形成障害、精子運動性の低下、妊性低下も示した。VAMP7は、その同族リガンドである17β-エストラジオール存在下でエストロゲン受容体α(ESR1)と共局在した。VAMP7レベルの上昇は、リガンド刺激を受けた際のESR1タンパク質の細胞内量を増加させることで、ESR1により増強される転写活性を著しく高め、ATF3CYR61CTGFなどのエストロゲン応答遺伝子の発現を上昇させた。これらの遺伝子はどれも、ヒトの尿道下裂と関連することが知られている。従って、VAMP7の遺伝子量増加とそのタンパク質産物の発現上昇は、オスの尿生殖系組織でエストロゲン受容体の作用を増強して生殖器官の男性化に影響を及ぼし、その結果としてヒトでは尿生殖路の先天性異常が生じる。

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