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炎症性肺疾患:上皮概日時計は肺の炎症とグルココルチコイド作用を制御する

Nature Medicine 20, 8 doi: 10.1038/nm.3599

概日系は免疫機能の重要な調節因子である。ヒトの炎症性肺疾患は、症状の重症度や肺機能が一日の内で時刻により変動することが多いが、このような作用の基盤となっている機序や細胞種は不明である。我々は、肺の抗菌応答が上皮クラブ(クララ)細胞内の概日時計により調整されていることを示す。これによって、ケモカインCXCL5を介した肺への好中球動員に概日的リズムが生じる。細気管支細胞で時計遺伝子Bmal1(別名ArntlあるいはMOP3)を遺伝的に欠損させると、周期的なCxcl5発現が障害され、その結果リポ多糖に対する炎症応答が増強し、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)感染に対する宿主応答が障害される。副腎摘出は周期的な炎症応答とCXCL5の概日性調節を障害するので、CXCL5発現と肺への好中球動員の駆動には副腎軸が重要な役割を担っていると考えられる。グルココルチコイド受容体によるCxcl5遺伝子座の占有には概日性の振動が見られるが、これはBmal1を細気管支特異的に欠損させたマウスでは消失して、コルチコステロイド分泌が正常であるにもかかわらず、CXCL5発現の増強が引き起こされる。合成グルココルチコイドであるデキサメタゾンの治療効果は、気道での時計機能の完全性に依存している。今回の結果は、概日時計とグルココルチコイドホルモンを、肺の炎症および細菌感染応答の規模と一日の時刻による変動の両方の制御に結びつける調節機構を明らかにしている。

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