Technical Report

糖尿病:1型糖尿病のバイオマーカー発見と診断に使えるプラズモンチップ

Nature Medicine 20, 8 doi: 10.1038/nm.3619

1型糖尿病(T1D)は自己免疫疾患だが、2型糖尿病(T2D)はインスリン抵抗性やベータ細胞の機能異常に起因する。これまで、これら2種類の糖尿病の発症に関しては、小児であればT1Dの恐れがある場合がほとんどで、T2Dは太り過ぎの成人で起こるために区別が容易だった。しかし、肥満の激増に加えてT1Dが顕著に増加したことで、これらの従来は分離していた患者集団が大きく重なり合うようになった。T1Dの診断の遅れは深刻な病状や死亡につながる可能性があり、また、新しい治療法が有効となるには、T1Dの迅速な診断が極めて重要となる。しかし、次世代基盤技術を糖尿病バイオマーカーの検出に用いるという試みはまだ成功していない。今回我々は、膵島細胞を標的とする自己抗体の近赤外蛍光増強型(NIR-FE)検出に用いる金プラズモンチップの開発について報告する。この基盤技術はT1Dの診断に関して高い感度と特異性を示し、未知のT1Dバイオマーカーを発見するために使えると考えられる。

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