Perspective
再生医学:再生医学におけるトランスレーショナル研究戦略と難問
Nature Medicine 20, 8 doi: 10.1038/nm.3627
科学者たちは現在、ヒト幹細胞の生物学的性質の解明が大きく進みつつある状況を目の当たりにしている。だが同時に、こうした知識を医療に転用するトランスレーショナル研究では、あちこちで失望が広がりつつある。このような挫折にもかかわらず、再生を妨害する事象の解明を進め、修復や再生の重要な経路を老化組織あるいは罹患組織の治療に使えるようにしようという研究者たちの決意は変わっていない。昨年、Nature Medicineはフォルクスワーゲン財団と共同で、この急速に進展しつつある分野への一助として、再生医学の専門家による会議を開催した。これは、喫緊の難問が何かを明らかにするのに加えて、再生分野のトランスレーショナル研究の進歩に最も役立つと考えられる重要な戦略を確認し、幹細胞という概念を確立することを目的としたものであった。この総説では、会議に参加した専門家4人が、こうした重要な問題や概念のいくつかについて論じている。