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がん:4-1BB共刺激はキメラ抗原受容体の強力なシグナル伝達によって誘導されるT細胞疲弊を緩和する

Nature Medicine 21, 6 doi: 10.1038/nm.3838

CD19を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)は、血液腫瘍で目覚ましい抗腫瘍反応を引き出してきたが、他の抗原を標的にするCARを用いた場合には腫瘍の寛解はほとんど起こらなかった。CD19 CARのこの顕著な効果が、CAR療法に対する血液腫瘍の感受性が他より高いことに関係するのか、それともCD19 CAR自体の機能性がより優れていることに関係するのかは分かっていない。我々は、CAR単鎖可変断片の抗原非依存的なクラスタリングによって誘導される強力なCAR CD3-ζリン酸化が、CAR T細胞の抗腫瘍効果を制限する早期疲弊を誘導し得ることを示す。このような活性化は、非常に有効性の高いCD19 CARは除いて、調べた全てのCARで見られ、その程度はさまざまである。我々はさらに、CD28共刺激が持続的なCARシグナル伝達によって誘導される疲弊を増強するが、4-1BB共刺激は疲弊を緩和させることを見いだした。我々の結果は、CD19 CARの抗腫瘍効果について生物学的に説明し、また4-1BB共刺激ドメインを組み込んだCD19 CAR T細胞は、CD28共刺激ドメインを組み込んだものよりも持続性が高いという臨床試験での観察結果に対する説明も与えている。

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