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糖尿病:ウロコルチン3は、ソマトスタチン依存性の負のフィードバックによるインスリン分泌制御を仲介する
Nature Medicine 21, 7 doi: 10.1038/nm.3872
ペプチドホルモンであるウロコルチン3(urocortin 3:Ucn3)は成熟β細胞で豊富に発現されているが、その生理機能は明らかになっていない。本論文では、Ucn3がインスリンと一緒に蓄えられ、同時に放出されてδ細胞上の同族受容体を介してグルコース刺激によるソマトスタチン分泌を増強することを実証する。さらに、内因性のUcn3を欠く膵島ではδ細胞数の減少、ソマトスタチン量の低下、ソマトスタチン分泌障害、インスリン放出過剰が見られ、このような異常はin vitroでは合成Ucn3の投与によって修正されることが分かった。今回得られた知見は、Ucn3のパラクリン作用がソマトスタチン放出を促進する負のフィードバックループを活性化し、それによって血漿内グルコース濃度が正常化した時点でインスリン分泌低下が確実に起こることを示している。また、糖尿病のマウスモデルおよびマカクザルモデルと糖尿病患者の膵島ではβ細胞のUcn3量が著しく低減している。この結果は、Unc3が安定した血糖制御に重要な役割を担っていること、糖尿病の際にUnc3の量が減少すると血糖値の変動がさらに大きくなり、この疾患の病態の一因となることを示唆している。