Review
炎症の開始、調節および消散における自然リンパ球の役割
Nature Medicine 21, 7 doi: 10.1038/nm.3892
自然リンパ球(ILC)と呼ばれる、自然免疫系のこれまで知られていなかった細胞は、マウスとヒトでその性質が調べられ、炎症の誘導、調節および消散に影響を及ぼすことが明らかとなっている。ILCは、感染、炎症および組織修復のマウスモデルでこれらの過程に重要な役割を担っている。さらに、特定の疾患の患者集団で行われた疾患との関連を調べる研究によって、ILC応答にはかなり大きな変化が見られることが明らかになった。このことは、これらの細胞集団がヒトの健康と病気の両方に関わっている可能性を示唆している。本総説では、新しいILCのファミリー、炎症におけるILCの役割、また現行の、あるいは新規な治療戦略をどのように使えば、ILC応答を選択的に調節し、慢性炎症性疾患を阻止することができるかなどについて論じる。