Review
自己免疫疾患の不均一性:遺伝学から得られる病態生理学的知見と新しい治療法との関わり
Nature Medicine 21, 7 doi: 10.1038/nm.3897
自己免疫疾患や免疫が仲介する疾患についてのゲノム規模での関連研究(GWAS)の最近の進展によって、このような疾患の基盤にある発症機序の解明が進み、これらの疾患に内在する、あるいは疾患間に存在する不均一性がさらに明確になってきた。また、治療に対する応答のばらつきも、これらの疾患の診断や治療の際に不均一性が重要な要因となることをはっきり示している。本総説では、自己免疫に共通して存在する、腫瘍壊死因子(TNF)、主要組織適合複合体(MHC)、インターロイキン23受容体(IL23R)やPTPN22(protein tyrosine phosphatase non-receptor type 22)などの経路に関して現在得られている知見について論じる。さらに、主要な自己免疫疾患にわたって試験された有効な特異的治療についてまとめ、そこから得られた疾患の機構についての知見や、将来の治療改善に対する関わりを明らかにする。