Perspective
精神疾患における画像化バイオマーカーの探索
Nature Medicine 22, 11 doi: 10.1038/nm.4190
最近の医学は多様なバイオマーカーを駆使して個別化医療を最適化する方向へと進んでいる。だが、このようなやり方は精神医学の分野では非常に難しい。それはこの分野での従来の診断は記述的方法による行動の収集に基づいてなされていて、患者を層別化するための客観的な検査法がないからである。しかし、陽電子放射断層撮影法(PET)あるいは構造的および機能的磁気共鳴画像化法(MRI)による分子レベルの画像化などの神経画像化技術により、精神医学は主観的な記述による分類の時代から、脳画像に基づく客観的に評価できる測定の時代へと移行しようとしている。今回我々は、ロバストで信頼性が高く、有効なバイオマーカーの開発に向かう行程を示す。そのようなバイオマーカーが開発できれば、精神医学の各分野は現代医学の仲間入りをすると考えられるので、開発はぜひ成功させなくてはならない。