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感染症:脳卒中後感染で見られた共生細菌の移行と播種
Nature Medicine 22, 11 doi: 10.1038/nm.4194
細菌感染は、脳卒中後の患者で非常に広く見られる症状である。脳卒中後の肺炎では微量誤嚥が一因である可能性があるにもかかわらず、脳卒中後に感染を起こした患者で検出される微生物の大半は本来ならば腸管に常在する一般的な共生細菌であることが分かった。虚血性脳卒中のマウスモデルでの脳卒中後の感染は、特定病原体除去施設で生まれて成長したマウスにだけ見られ、無菌施設で生まれて成長したマウスでは見られなかった。我々は、ハイスループット16S rRNA遺伝子アンプリコン配列解析とバイオインフォマティクス解析を用いて、脳卒中後のマウス肺で微生物群集を形成する細菌の供給源が宿主の小腸であることを示す証拠を得た。また、腸管で脳卒中により誘導される障壁透過性と機能異常は、経口接種された細菌の末梢組織への播種よりも早く起こることが分かった。この研究は、脳卒中が宿主腸内細菌相に由来する特定種の細菌の移行と播種を促進する新規経路を明らかにしたものである。