Editorial アクセスを保証する制度 2016年7月1日 Nature Medicine 22, 7 doi: 10.1038/nm.4151 顧みられない病気に対する新しい治療薬の開発を促進するために、米国食品医薬品局（FDA）はこうした目的で開発された医薬品ならば、FDAの難しい審査を優先的に受けられるようにする優先審査保証制度を新設した。しかし、この制度には、認定された製品の価格を患者や医療機関などが「アクセス可能」な範囲に収める、つまり手頃な価格で容易に入手できることを確保するための前提条件が欠落しているなど、いくつかの重大な欠陥があることが分かり、複数の医療関係機関から厳密な調査と修正が求められている。この制度は顧みられない病気の研究を行う製薬企業を優遇するためのものだが、優先審査保証票が高額で転売されたり、何ら新規性のない（新しい研究投資が行われていない）製品が認定されたりしている。こういう抜け穴はあらかじめ塞いでおかなくてはいけない。顧みられない病気の治療薬に関しては、審査を優先させるだけでなく、それを必要としている人々の手に優先的に届けるようにすることも極めて重要なのである。 Full text PDF 目次へ戻る
