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肝炎:慢性B型肝炎でミトコンドリア機能不全を標的とすれば、疲弊したHBV特異的CD8 T細胞の抗ウイルス活性を回復できる

Nature Medicine 23, 3 doi: 10.1038/nm.4275

慢性B型肝炎感染では、B型肝炎ウイルス(HBV)特異的CD8 T細胞の機能が疲弊していて、この状態は阻害経路の調整では部分的にしか修正できず、T細胞疲弊の根底にはもっと複雑な分子相互作用があると考えられる。我々は、疲弊の過程についてもっと広い知見を得て、T細胞機能の回復に役立つ別の標的を突き止めるために、急性および慢性感染患者由来のHBV特異的CD8 T細胞のトランスクリプトームのプロファイルを、HBV感染が自然寬解した患者由来のHBV特異的CD8 T細胞、および健常な被験者由来のインフルエンザ(FLU)特異的CD8 T細胞のものと比較した。その結果から、疲弊したHBV特異的CD8 T細胞は、複数のレベルで顕著な機能低下を起こしていること、またミトコンドリアの広範囲にわたる変化を中心とするさまざまな細胞過程の大幅な下方調節が起こっていることが明らかになった。ミトコンドリアを標的とする抗酸化剤によって、ミトコンドリア機能および抗ウイルスCD8機能の著しい改善が誘導され、このことはT細胞疲弊に活性酸素種(ROS)が中心的役割を果たしていることを示唆している。従って、ミトコンドリアは慢性B型肝炎感染症を治療するための新規な再構築療法にとって有望な標的であると考えられる。

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