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免疫:腫瘍関連T細胞を調節する独特な自然リンパ球集団

Nature Medicine 23, 3 doi: 10.1038/nm.4278

抗腫瘍T細胞は、多様な負の調節機構の支配下にある。自然リンパ球(ILC)が適応免疫系のT細胞応答を調節するという最近の知見から、我々はがんという状況下でのILCの調節能力を調べることにした。高悪性度漿液性腫瘍から、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を抑制する独特のILC集団が見つかり、in vitroでのその抑制能を明らかにし、表現型の包括的な解析を行った。TIL培養中のこのCD56+CD3細胞集団の存在はT細胞数の減少と関連しており、さらなる機能解析によってこの集団はTILの増殖を抑制し、TILのサイトカイン産生を変化させることが実証された。トランスクリプトーム解析と表現型解析によって、調節性のCD56+CD3細胞は細胞傷害性が低く、IL-22を産生し、ナチュラルキラー(NK)細胞などのILCと重なる発現プロファイルを持つことが示された。CD56+CD3細胞ではNKp46が非常に多く発現していて、抗NKp46抗体をTIL培養に加えると、この調節性ILCのT細胞増殖抑制能が阻害された。また、TIL培養中にこれらの調節性ILCが存在することは、がん再発までの期間の著しい短縮と相関した。今回の研究は、これまで性質が調べられていなかったILC集団が腫瘍関連T細胞の活性と増殖を調節していることを明らかにしている。

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