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がん治療:化学療法に使われるプラチナ製剤の一部はリボソーム生合成ストレスの誘導により細胞を死滅させる

Nature Medicine 23, 4 doi: 10.1038/nm.4291

プラチナ製剤のシスプラチンとその類似化合物であるカルボプラチンやオキサリプラチンは、最も広く使われているがん化学療法剤の1つである。シスプラチンやカルボプラスチンは主に生殖細胞、乳腺、肺の悪性腫瘍に用いられるが、オキサリプラチンの使用は大腸がんなどの消化器がんの治療にほぼ限定されている。本論文では、独自のマルチプラットフォーム対応型遺伝的解析法を使い、臨床的に評価が確立されているこれらのプラチナ抗がん製剤に加えて、これらより後に開発されたシスプラチン類似薬の作用機序を調べた。オキサリプラチンは、シスプラチンやカルボプラチンと異なり、DNA損傷応答を介して細胞死を引き起こすのではなく、リボソーム生合成ストレスの誘導により細胞を死滅させることが明らかになった。薬剤作用機序のこのような違いは、シスプラチンとオキサリプラチンの臨床での使い方が異なる理由を説明するものであり、悪性腫瘍ごとに、異なるプラチナ製剤を薬剤の作用機序に基づいて選択することが可能になるだろう。今回の結果は、最先端のがん治療の中核となる薬剤の機能的多様性を明らかにしており、現行の抗がん剤の使用に際して、作用機序に基づく合理的な判断を用いることの有用性を明確に示している。

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