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がん治療:c-FOSおよびDUSP1のターゲッティングはBCR-ABL白血病でチロシンキナーゼ阻害剤に対する内因性耐性を消失させる

Nature Medicine 23, 4 doi: 10.1038/nm.4310

ヒトがんでのチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)療法は根治的ではなく、微少残存病変(MRD)と呼ばれる腫瘍細胞の持続によって再発が起こる。発がん性のキナーゼシグナル伝達は見られないがMRD幹/前駆細胞が生存している状態は内因性耐性と呼ばれ、多様な増殖因子に依存している。本論文では、発がん性キナーゼと増殖因子のシグナル伝達が収束してシグナル伝達タンパク質であるc-FOS(FBJ osteosarcoma oncogene:Fosにコードされる)とDUSP1(dual-specificity phosphatase 1)の発現を誘導することを報告する。FosおよびDusp1を遺伝的に欠失させると、慢性骨髄性白血病(CML)のBCR-ABL融合タンパク質キナーゼ誘導型マウスモデルで腫瘍増殖が抑制された。c-FOS、DUSP1、BCR-ABLを薬理学的に阻害すると、複数のin vivoモデルとCML患者由来初代CML細胞を異種移植されたマウスでMRDが消失した。増殖因子シグナル伝達は、キナーゼ発症型白血病の別のタイプのモデルである腫瘍細胞でもTKI耐性をもたらし、FOSおよびDUSP1発現を引き起こした。今回のデータは、増殖因子によってc-FOSとDUSP1の発現が誘導されると、さまざまなタイプの白血病でTKI療法に対する内因性耐性が生じるように、c-FOSとDUSP1の発現レベルがTKI療法の有効性の閾値を決定していることを示しており、c-FOSとDUSP1はキナーゼ活性化が関わるがんにおける「アキレスのかかと」的なものとなる可能性がある。

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