Brief Communication
がん治療:mRNAにコードさせた二重特異性抗体によるマウスの大きな腫瘍の除去
Nature Medicine 23, 7 doi: 10.1038/nm.4356
二重特異性T細胞誘導抗体は、作製が困難なことと血清の半減期が短いことが妨げとなって、十分な能力を発揮するに至っていない。我々は、この抗体をコードする、in vitroで転写されたmRNAを薬理学的に最適化し、修飾したヌクレオシドを導入してこれをマウスに投与することで、このような制約を回避した。この抗体は持続的に内因性合成することが可能になり、これに対応する精製二重特異性抗体と同等の効果を発揮して進行性腫瘍を除去できた。治療薬としてのmRNA製造は迅速に行えるので、この手法は新たな二重特異性抗体の臨床開発を加速すると考えられる。