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がん治療: SPOPが変異した前立腺がんで見られる内因的なBET阻害剤抵抗性はBETタンパク質の安定化とAKT–mTORC1活性化を介して生じる

Nature Medicine 23, 9 doi: 10.1038/nm.4379

BET(bromodomain and extraterminal domain)タンパク質阻害剤は、有望な抗がん治療法であることが明らかになりつつある。E3ユビキチンリガーゼの基質結合アダプターであるSPOP(speckle-type POZ protein)をコードする遺伝子は、原発性前立腺がんで最も高頻度で変異が生じている。今回我々は、野生型SPOPがBETタンパク質(BRD2、BRD3およびBRD4)に結合し、これらのタンパク質に共通のデグロンモチーフを認識して、ユビキチン化とプロテアソームによる分解を誘導することを明らかにする。対照的に、前立腺がんに関連するSPOP変異ではBETタンパク質との結合が損なわれ、その結果、プロテアソームによる分解が減少し、前立腺がんの細胞株や患者検体ではBETタンパク質の蓄積が見られ、BET阻害剤への抵抗性が生じる。トランスクリプトームとBRD4のシストロームの解析では、BRD4が安定化された結果として、AKT–mTORC1シグナル伝達の活性化とともに、GTPアーゼRAC1とコレステロール生合成関連遺伝子群の発現が亢進していることが明らかになった。我々のデータは、SPOP変異型前立腺がんで見られるBET阻害剤抵抗性は、AKT阻害剤との併用により克服可能であることを示しており、SPOP変異が前立腺がん患者でBET阻害剤を中心とする療法の適性を示すバイオマーカーであるとする評価をさらに裏付けるものである。

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