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白血病:CD22を標的とするCAR T細胞はCD19を標的とするCAR免疫療法を受けた経験がないB-ALL患者、もしくはこの療法に抵抗性のB-ALL患者で寛解を誘導する

Nature Medicine 24, 1 doi: 10.1038/nm.4441

CD19を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)T細胞は、再発性や難治性の前駆B細胞型急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)で強力な効果を発揮するが、CD19を標的とする免疫療法に対する抵抗性が生じる原因として多いのは、抗原消失である。B-ALLの患者のほとんどではCD22も発現しており、こちらは通常、CD19消失後にも保持されている。我々は、CD22を標的とする新たなCAR(CD22-CAR)の効果について、CD19に対する免疫療法を以前に受けた17人を含む21人の小児と成人で調べた第1相試験の結果を報告する。今回のCARでは用量依存的な抗白血病活性が見られ、体重1 kg当たり≥ 1 × 106個のCD22-CAR T細胞を移入された患者の73%(11/15)では完全寛解が見られ、その中にはCD19dimもしくはCD19 B-ALLの5人の患者全てが含まれていた。寛解期間の中央値は6か月だった。再発はCD22部位密度の低下と関連しており、おそらく、こうした低下によってCD22+細胞がCD22-CAR T細胞による殺傷を回避できるようになったのだろう。これらの結果は、抗CD19免疫療法に抵抗性の白血病を含めたB-ALLでのCD22-CARの臨床活性を確証した最初の結果であり、生物学的活性が見られる投与量でのCD19-CARと同程度の効果が実証された。我々の結果はまた、CARの機能の調節に抗原濃度が非常に重要な役割を担うことを明確に示している。

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