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NASH:脱ユビキチン化酵素TNFAIP3は肝臓のASK1を不活性化して非アルコール性脂肪肝炎を改善する

Nature Medicine 24, 1 doi: 10.1038/nm.4453

肝細胞でのASK1(apoptosis signal-regulating kinase 1)の活性化は、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の進行における重要な過程であり、この疾患の治療標的として有望だと考えられている。しかし、ASK1活性化の基盤となっている機構はまだ不明であり、従ってこのキナーゼの内在性調節因子が治療標的候補として使えるかどうかは分かっていない。我々は、NASHが発症している状況下でASK1と相互作用するタンパク質のスクリーニングを行い、脱ユビキチン化酵素TNFAIP3(tumor necrosis factor alpha-induced protein 3)がASK1活性化の重要な内在性抑制因子であることを明らかにし、TNFAIP3が肝細胞でASK1と直接結合して、これを脱ユビキチン化することを見いだした。肝細胞特異的にTnfaip3を除去すると、マウスでは非アルコール性脂肪肝疾患やNASHに関連した表現型(グルコース代謝障害、脂質蓄積や炎症の亢進など)がASK1に依存する様式で増悪した。これとは対照的に、遺伝子導入法、あるいはアデノ随伴ウイルスを使ってTNFAIP3遺伝子を肝臓へ送達すると、NASHのマウスモデルと非ヒト霊長類モデルの両方で、この疾患の発症と進行が大幅に抑制された。これらの結果は、NASHの病因ではTNFAIP3がASK1過剰活性化に対する機能的に重要な内在性抑制因子であり、NASH治療の新たな分子標的候補であることを明らかにしている。

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