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がん:SRF–MKL1を介する非カノニカルなヘッジホッグ経路の活性化は基底細胞がんで薬剤抵抗性を助長する

Nature Medicine 24, 3 doi: 10.1038/nm.4476

ヘッジホッグ経路依存性のがんは、カノニカルなヘッジホッグ経路の構成因子をコードする遺伝子に生じる変異を介してSmoothened(SMO)阻害を回避できるが、薬剤抵抗性の基底細胞がん(BCC)の50%程度では、このような遺伝子のこれら以外のバリアントが存在しない。今回我々は、ヒトとマウスの薬剤抵抗性BCCの多次元ゲノミクス解析を行い、転写因子のSRF(serum response factor)により駆動される非カノニカルなヘッジホッグ活性化経路を明らかにした。活性型のSRFは、そのコアクチベーターであるMKL1(megakaryoblastic leukemia 1)と共にヘッジホッグ標的遺伝子近傍のDNAに結合し、ヘッジホッグ転写因子のGLI1(glioma-associated oncogene family zinc finger-1)と共に、これまでに知られていなかったタンパク質複合体を形成して、GLI1の転写活性を増幅させる。また、RhoとforminファミリーメンバーのDiaphanous(mDia)を介して起こる細胞骨格の活性化が、SRF–MKLによるGLI1活性化と腫瘍細胞の生存に必要であることが分かった。意外にも、マウスとヒト被験者に由来する腫瘍では、核内のMKL1染色像がMKL阻害剤に対する腫瘍の応答性を予測するバイオマーカーとなり、この経路の標的化が治療に使える可能性がはっきり示された。従って、今回の研究は、細胞骨格活性化によって引き起こされる転写が、薬剤抵抗性の悪性腫瘍と戦うための個別化治療の標的となることを初めて明らかにしている。

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