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NEWS FEATURE:弱毒化生ワクチンの復活

Nature Medicine 24, 3 doi: 10.1038/nm0318-248

弱毒化生ワクチンは経口接種できて予防効果も高いことが、ポリオや麻疹などのさまざまなウイルス性疾患で実証されている。しかしワクチン接種後に弱毒化ウイルスが変異して副作用が生じた例も多く、製造にも時間がかかるなど、弱毒化生ワクチンの多くの問題点はいまだに完全には解決されていない。だが、最近のウイルス学の進歩に伴って、マイクロRNAを使ってウイルスの複製や毒性を抑える新たな方法の研究が盛んに進められており、この方法を使った新しい弱毒化生ワクチンへの関心が高まっている。マイクロRNAを使ったインフルエンザワクチンの有効性は、すでに動物実験で確かめられている。また孵化鶏卵を使ってワクチンを作るという時間のかかる方法に頼らず、ヒトなどの細胞中でウイルスを増殖させる方法も、マイクロRNAを使うことで可能になると予想されている。パンデミックの際には大量のワクチンが必要と予想されるので、この方法には大きな期待が掛けられている。

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